2018年 03月 17日 ( 1 )

外郎売

日々、滑舌の練習に
使用している
歌舞伎の演目
「外郎売(ういろううり)」の長台詞



そんな折、
小田原で遭遇した
「外郎」店舗の
ういろう




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由緒が正し過ぎる(笑)

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拙者せっしゃ親方おやかたと申すは、お立合たちあいうち御存知ごぞんじのお方もござりませうしょうが、

お江戸をって二十里上方かみがた

相州小田原一色町そうしゅうおだわらいっしきまちをお過ぎなされて、

青物町あおものちょうを登りへおいでなさるれば、 欄干橋らんかんばし虎屋藤衛門とらやとうえもん只今ただいま剃髪ていはついたして、

円斎えんさいと名乗りまする。


元朝がんちょうより大晦日おおつごもりまでお手に入れまするこの薬は、昔ちんの国の唐人とうじん外郎ういろうとい人、わがちょうきたり、みかど参内さんだいおりから、この薬を深くめおき、 用ゆる時は一粒いちりゅうづつ、かんむり隙間すきまより取りいだす。 ってその名を帝より、とうちんうとたまる、 すなわ文字もんじには、「いただき、く、香ひにおい」と書いて、「とうちんう」と申す。


只今はこの薬、ことほか世上せじょうひろまり、

方々ほうぼう似看板にせかんばんいだし、 イヤ、小田原おだわらの、灰俵はいだわらの、さんだわらの、炭俵すみだわらのと、色々に申せども、 ひらがなをもって「うろう」としるせしは親方円斎ばかり。 もしやお立合の中に、熱海あたみ塔ノ沢とうのさわ湯治とうじにおでなさるるか、 また伊勢いせ参宮さんぐうの折からは、必ず門違ひかどちがいなされまするな。お登りならば右のかた、おくだりなれば左側、 八方はっぽうが八つむねおもて三棟みつむね玉堂造ぎょくどうづくり、破風はふにはきくきりうの御紋ごもん御赦免ごしゃめんあって、 系図けいず正しきくすりでござる。


イヤ最前さいぜんより家名かめい自慢じまんばかり申しても、御存知ないかたには、 正身しょうしん胡椒こしょう丸呑まるのみ白河夜船しらかわよふね、さらば一粒いちりゅう食べかけて、その気味合きみあいをお目にかけませうしょうずこの薬をかうに一粒ひとつぶしたの上にのせまして、腹内ふくないおさめますると、 イヤどうも云へいえぬは、

しんはいかんがすこやかになりて、

薫風くんぷうのんどよりきたり、 口中こうちゅう微涼びりょうしょうずるがごとし。魚鳥ぎょちょうきのこ麺類めんるい喰合くいあわせ、そのほか万病速効まんびょうそっこうある事神のごとし、 さて、この薬、第一の奇妙きみょうには、舌のまることが、ぜに独楽ごまがはだしでげる。 ひょっと舌がまはりすと、たてもたまらぬぢゃじゃ


そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。アワヤのんど、 サタラナ舌に、カ歯音しおん、ハマの二つはくちびる軽重けいちょう開合かいごうさわやかに、 アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、 ぼんまめ・盆ごめ・盆ごぼう・摘蓼つみたで・つみまめ、つみ山椒さんしょう書写山しょしゃざん社僧正しゃそうじょう粉米こごめのなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米の小生こなまがみ、繻子しゅす・ひじゅす・繻子・繻珍しゅちんおや嘉兵衛かへいも嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、 ふるくりの木の古切口ふるきりくち雨合羽あまがっぱか、ばんがっぱか、貴様きさまのきゃはんも皮脚絆かわきゃはん我等われらがきゃはんも皮脚絆、 しつかはしっかわばかまのしっぽころびを、三針みはりはりなかにちょとうて、ぬうてちょとぶんだせ、 か撫子なでしこ野石竹のせきちく。のら如来にょらい、のら如来、のら如来にのら如来。 一寸先ちょっとさきのお小仏こぼとけにおけつまづきゃるな、細溝ほそどぶにどぢょじょにょろり。


きょう生鱈なまだら奈良ならなま学鰹まながつお、ちょと四五貫目しごかんめ、 お茶立ちゃたちよ、茶立ちよ、ちゃっと立ちよ茶立ちよ、青竹茶筅あおたけちゃせんでお茶ちゃと立ちや。

るは来るは何が来る、高野こうややまのおこけら小僧こぞうたぬき百匹、はしぜん天目てんもく百杯、ぼう八百本。 武具ぶぐ馬具ばぐ・ぶぐ・ばぐ・ぶぐばぐ・せて武具・馬具・ぶぐばぐ、 きくくり・きく・くり・菊栗、合せて菊・栗・菊・栗、 むぎ・ごみ・むぎ・ごみ・むぎごみ・合せてむぎ・ごみ・むぎごみ。 あの長押なげし長薙刀ながなぎなたは、が長薙刀ぞ。 向かふむこう胡麻ごまがらは、のごまがらか。ごまがらか、 あれこそほんの真胡麻殻まごまがら。がらぴいがらぴい風車かざぐるま、おきやがれこぼし、おきやがれ小法師こぼうし、 ゆんべもこぼして又こぼした。たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つつたつぽ、 たつぽたつぽ一丁いっちょうだこ、ちたら喰をくお、煮ても焼いても喰はくわれぬ物は、五徳ごとく鉄きうてっきゅう・かな熊童子ぐまどうじに、石熊いしくま石持いしもち虎熊とらくま・虎きす・なかにも、東寺とうじ羅生門らしょうもんには、 茨木童子いばらきどうじがうでぐり五合ごんごうつかんでおむしゃる。かの頼光らいこうのひざもと去らず、ふな・きんかん・椎茸しいたけさだめて後段ごだんな、そばり、そうめん、うどんか、 愚鈍ぐどん小新発知こしんぼち小棚こだなの、小下こしたの、小桶こおけに、こ味噌みそが、こあるぞ、 小杓子こしゃくし、こもって、こすくって、こよこせ、おっと、

合点がてんだ、 心得こころえたんぼの川崎かわさき神奈川かながわ程ヶ谷ほどがや戸塚とつかは、走って行けば、やいとをりむく、 三里さんりばかりか、藤沢ふじさわ平塚ひらつか大磯おおいそがしや、小磯こいそ宿しゅくを七つ起きして、 早天早々そうてんそうそう、相州小田原とうちんこう

かくれござらぬ貴賎群衆きせんぐんじゅの、花のお江戸の花うろう、 あれあの花を見てお心を、おやゎらぎゃという。

産子うぶこ這ふ子はうこいたるまで、 の外郎の御評判ごひょうばん、御存じないとは申されまい。まいつぶり、角出つのだせ、棒出せ、 ぼうぼうまゆに、うすきね・すりばち、ばちばちぐわらぐわらぐわらと、 羽目はめはずして今日こんにちでの何茂様いずれもさまに、 上げねばならぬ、売らねばならぬと、いきせいひっぱり、東方とうほう世界の薬の元締もとじめ、 薬師如来やくしにょらい照覧しょうらんあれと、ホホうやまって、うろうは、いらっしゃりませぬか。


by mihokoasano914 | 2018-03-17 21:11 | Comments(0)

日常の“うふふ”な事


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